安芸国分寺−東広島市西条−
 東広島市西条に常光院という寺がある。16世紀の建築とみられる仁王門(八脚門)や江戸期の護摩堂などの古建築物を有し、盆地の斜面に建っている。
 この寺の周辺部等から安芸国分寺の遺構や遺物の発見があいつぎ、現在も調査中である。国分寺は、天平13年(741年)、聖武天皇の勅願によって諸国に整備された寺。国分尼寺は、伝承の土地はあるがいまだ遺物等の知見はないようである。
 寺の西方に玉垣に囲まれた一隅に7重塔の礎石(写真左)がみえている。聖武天皇の歯を埋めたところと伝承されていたが、昭和7年に発掘調査が行われ、塔跡であることが判明した遺跡である。−平成18年5月 
  極楽寺−廿日市市−
   
  極楽寺本堂  極楽寺山
  極楽寺山(標高693b)は、頂上近くに上不見山浄土王院極楽寺が建つ山。寺の本堂は、方形造りの二層屋根が美しく、本尊は2メートル余の十一面千手観世音菩薩。永禄5年(1562年)再興の棟札がある。正面に唐破風の向拝が付いているが、京都の法界寺阿弥陀堂に感じが似ている。同寺の銅製鰐口は室町時代の遺品である。
 山頂付近は、モミが茂る原生林。4月中旬、山裾の潅木林に自生する満開のミツバツツジが登山者の目を楽しませる。
 登山路は山の三方に整備されている。佐用川の渓流沿いの登山道を登ると、ヤブツバキやヤマザクラ、ミツバツツジが満開。その樹下をウグイスのこえを聞きながら登る春の山行きもよいものである。登山道も概してよく整備されている。
 樹間から宮島など広島湾に浮かぶ島々が見え隠れしている。−平成18年4月−