可部の町並み−広島市安佐北区可部−
可部の町並み 広島市安佐北区にある可部から南原峡沿いの道を北上し、冠山(標高735メートル)の東にある可部峠を越え、本地、有田、壬生、浜田に通じる石見路は、陰陽をつなぐ藩政期の官道であった。この可部峠越えの道はもともと毛利氏が開き、福島氏によって再整備された道。いまでは、国道191号線が整備され可部峠越えの道は人影もなくまれにハイカーに出会うほどの寂れようである。
 可部の町は、可部峠を越える石見路の広島側の街道筋に栄えた町。冠山の険しい山道を越え、石見から可部に辿り着いた旅人は、ここで旅装をとき安堵したことであろう。冠山に遊んだ日には可部の歴史街道を歩くのもよいだろう。
 可部の町は、可部バイパス、国道54号線が通る繁華な町になった。石見路の面影は、旧国道沿いに残る町並みが伝えるのみである。袖うだつのあがった切妻桟瓦葺き、ゆったりとした平入りの商家が街道に軒を連ねている。
 可部の南原峡は自然豊かなところ。キャンプ等のアウトドアーや自然観賞に訪れる人も多い。渓流沿いにヤマメの管理釣り場などがある。−平成18年6月−