国境の海景−呉市豊町(大崎下島)、今治市関前岡村(岡村島)−
海景 海峡の左手側が広島県 大崎下島の御手洗の背後に、歴史の見える丘(展望広場)がある。島一等の観望地である。写真手前から小島、中ノ島、平羅島が狭い海峡に浮かび、平羅橋、中ノ瀬戸大橋、岡村大橋が大崎下島と岡村島の両島を結ぶ。ビュートの島々が波静かな海峡に島影を映す。文句なく美しい海峡である。
 御手洗の北側の隣接地が大長おおちょうである。「耕して天に至る」とうたわれた温州みかんの一大産地だ。石垣を積上げた傾斜度40度にもなるみかん畑が山頂を越えている。大長のみかん栽培の歴史は古く室町時代にまでさかのぼる。明治年間には、大分県から海景(海峡の左手が大長)もたらされた穂木の品種改良によって早稲温州が生まれ、みかんの名産地の名をほしいままにしている。
 昭和30年代には大長の半数以上の農家が出作りをしていた。その範囲は岡村島をはじめとする愛媛県や岡山県の島々にも及んでいた。農船に機材を積んで島々を渡り歩いてみかん栽培が行なわれていたのである。島々をつなぐ架橋は、そうした農家の負担を大いに軽減することになる。工事中の豊島大橋が完成すると、下蒲刈島、上蒲刈島、豊島、大崎下島の4島が連なり、さらに大崎下島から平羅橋、中の瀬戸大橋、岡村大橋を渡れば岡村島。陸路が開かれて、出作農家の労働負担の軽減にはかり知れない効果をもたらすであろう。-平成18年5月-