倉橋島の音戸町波多見に八幡山神社がある。応神天皇を主祭神とする社である。急な参道をゆき後ろを振り向くと、牡蠣いかだが浮かぶ斎灘に、沖の石、その向こうに大浦崎の半島がみえる。
この海域は、第二次世界大戦中、特殊潜航艇の訓練が行なわれたところ。潜航艇は、潜水艦上に搭載され、ハワイ・真珠湾、マダガスカル、ガダルカナルなどに出撃していった。
戦地に航跡を残した特殊潜航艇関係の戦没者は約440柱という。昭和45年、戦没者の戦友によって「嗚呼 特殊潜航艇」の碑が八幡山神社の参道に建立された。 眼下の海がいつまでの平和な海であることを願いたい。−平成18年5月− |