三原市本町に宗光寺という曹洞宗の寺がある。長い坂道になった参道をゆくと、見上げるような威武堂々とした山門がある。
山門は、小早川隆景が安芸国本郷の新高山城の城門を移したものと伝えられる。隆景は、瀬戸内海への進出を願い三原を開発し、浮城といわれた三原城を築城した。このとき多くの寺院を三原に移転させている。宗光寺(旧雲門山匡真寺)もそうした寺の一つである。
山門は切妻、本瓦葺の堂々としたもので、蟇股など桃山時代の建築手法が顕著である。軒周りの組手などを眺めているうちにイソヒヨドリが一羽、蟇股にやってきて避暑の体。ひんやりとした軒下は極楽。 福島正則の養子正之と浅野家第二代忠吉の墓が同寺にある。−平成18年8月− |