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大分 |
臼杵石仏−臼杵市− |
磨崖仏、石橋、石風呂等々、県下には随分、石の建造物が多い。かつそれらの部材として阿蘇溶結凝灰岩が多用されている。やわらかく、加工しやすく、強度はコンクリート並み。上から圧力がかかると固くしまる性質のあるこの岩石は、城の石垣や石橋に向いている。したがって、九州においては、概して阿蘇溶結凝灰岩がそれらの部材として使用されてきた。
阿蘇溶結凝灰岩は風化しやすく半永久的な保存を考えると、石仏などの部材に向いているとはいえない面があるが奇跡がおこった。臼杵の60余体の石仏(磨崖仏)が山間の奥まった谷間の磨崖で千年以上、風化に耐えながら土地の人々の厚い信仰を得て今日までその姿をとどめてきたのである。
パミール、天山を越え日本にもたらされた仏像は、日本の風土に徐々に同化して顔立ちにも日本的な雰囲気が漂うようになる。彩色され柔和な顔立ちの臼杵の石仏は、そのような諸仏の極点を示しているのでないだろうか。なんともよい顔立ちである。
石仏の造像について真野長者にまつわる伝説がある。真偽はともかく、当地は平安、鎌倉時代に仏教文化が花開いたところ。市内の元町には薬師如来などの石仏がある。−平成17年8月− |
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臼杵石仏 |
元町石仏 |
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