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長崎 |
眼鏡橋−長崎市− |
長崎市内を流れる中島川に総数14基の石橋が架かっている。東新橋、魚市橋等々、それぞれ名のつく橋の中で、眼鏡橋の名をもつ橋は栄町と諏訪町を結ぶ石造橋ひとつのみである。
長崎においては、眼鏡橋の定義が大変、厳格に考えられているのか、二重のアーチを持ち、中島川の川面に映る影が眼鏡のかたちをしていることが必要条件のようである。単眼のものは眼鏡橋とは呼ばれていない。
この眼鏡橋は、興福寺の唐僧・黙子禅師によって、1634年(寛永11年)に架設されたものである。日本で最古の石造アーチ橋。
長崎を訪れた旅人は、強固で美しい石造アーチ橋のとりこになったであろう。アーチ橋は瞬く間に諸国に広がり、今日なおその美しい姿を保っているものが少なくない。諫早公園の眼鏡橋、坪井川の明八橋(熊本)、秋月の眼鏡橋(福岡)、五橋公園の眼鏡橋(鹿児島)から東京の二重橋に至るまで枚挙に暇がないほど名橋は多い。とりわけ九州に眼鏡橋が多いのは、たぶん技術者や溶結凝灰岩など石橋の石材に恵まれたことがその普及に大きな影響を与えたのであろう。 |
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