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長崎 |
対馬の溺れ谷−対馬市豊玉町− |
厳原から比田勝までおよそ100キロメートル。起伏の続く道は険しく魏志倭人伝にみる対馬世界を彷彿とさせ、道路事情がよくなった今日においてもなかなか厳しく、往くほどに前途が展望できない人生に似たような不安が広がるものである。しかし、島の中部一帯に展開する溺れ谷は、そうした対馬をゆく不安を一掃してくれる開けた空間と青い海がある。
溺れ谷の南北に上見坂公園など眺めのよい展望所が散在する。烏帽子岳(標高176メートル)展望所に立つと、眼下に浅茅湾の絶景に接することが出来る。累々と連なるちぎれ小島の島影から遣唐使船或いは遣新羅船の船影が浮かび消える錯覚を覚える。無双の景観であろう。−平成18年3月− |
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