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熊本 |
崎津天主堂−天草郡河浦町− |
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河浦町一町田からバスで5分。東シナ海に開けた羊角湾の波静かな入江に崎津の集落がひっそりと静まり、集落の中央で崎津天主堂の尖塔が天を突いている。
河浦はルイス・デ・アルメイダ神父の布教の地。16世紀末に神学校が置かれ、ローマ少年使節が持ち帰った金属活字印刷機によって活版印刷が最初に行なわれたところと伝えられる。クリスマスも近い。ゴシック風の聖堂周りにイルミネーションが飾られている。聖堂は簡素で美しく、清潔感に満ちている。
集落の裏山に、標高100メートルほどの高台があってチャペルの鐘があり、定時に時を告げる。250年間、隠れキリシタンとして信仰を貫いた人々の羊角湾発の平和の鐘である。
河浦にほど近い天草町にロマネスク建築の大江天主堂がある。小高い丘の上に燦然として建つ白亜の教会は、天草の青空によく映える美しい教会。崎津天主堂ともに教会建築の名工鉄川与助の手になる建物である。
明治40年夏、与謝野鉄幹、北原白秋、吉井勇ら新詩社の同人5人が大江天主堂のガルニエ神父を尋ね、後に「五足の靴」を著している。-平成14年12月- |
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