古里海岸−佐多町
  古里海岸は、大隈半島の東海岸に開けた雄大な湾沿いの海岸。巨岩が点在し、車窓がそのまま絵になる優美にして気品のある海岸である。道端のヒルガオの薄赤紫が鮮烈である。
画像(古里海岸) 画像(ハマヒルガオ)

霧島神宮の森−霧島町
 神宮の鳥居をくぐり、玉砂利を踏みしめ参道を行く。すがすがしさを一層強く感じるのは、参道を覆う深い樹林のせいばかりでなく、この社の途方もなく古い歴史の彼方に、ベールに包まれた日本民族の系図が見え隠れする緊張感を感じるからであろう。祭神はニニギノミコト。朱で塗られた拝殿、本殿、勅使殿が森の緑に一層鮮やか映える。
 寺田屋事件の直後、傷癒えぬ坂本竜馬が妻・おりょうとともに額づいた神宮は、付近一帯に温泉なども多く新婚旅行などの若い人々やツアー客などで賑わっている。拝殿に額ずく人、記念写真におさまる人などで境内は賑やかである。
 神宮は標高500メートルほどの高地にあり、森の諸相も豊かである。新緑よし紅葉よし、冬に積雪を見るのも県下では珍しい。春には高千穂峯の山麓で群生するミヤマキリシマの可憐な花をみることができる。
霧島神宮2 霧島神宮3

 眼鏡橋−鹿児島市
眼鏡橋 眼鏡橋1
 薩摩は「石」の文化国。門塀、橋,、城の垣などから「田の神さん」に至るまで石造である場合が多い。県土の半分以上がシラスで覆われ、田作りや災害の防御に難渋を極めたであろう。しかし、薩摩の火山は、その恵みとして「溶結凝灰岩」を生成した。加工が容易で強度はそれほどでなくともコンクリート並の強度があれば重宝されるのは当然であろう。
 鶴丸城の石垣は無論、溶結凝灰岩である。年月を経過するほどに強固に締まる特性がある。少し誇張して言えば、アリの這入る隙間もないほど締まる。その究極は甲突川に架かる「眼鏡橋」などではないだろうか。橋は役目を終え、五橋公園に移設、展示(写真)されている。橋下から見上げると、巨大なドームの空間にいる錯覚を覚える。その向こうに桜島が座っている。