鹿児島神宮は大隈の一の宮。勅使殿などを備えた社殿は大きく立派なものである。
鹿児島神宮の森にシャンシャンと鈴の音が響く。鉦、太鼓、三味線の音色にあわせ、鈴や米俵、桜の造花、五色の布などで飾った神馬が軽くステップを踏み神宮の参道を往き、境内の「踊り場」に向かう。その後ろから三味線などの奏者や歌い手、踊り手が続く。20度を超える陽気に馬の首筋は汗ばんでいる。踊り場の一番馬は加治木の神馬。馬踊りの後、俵踊りが奉納される。俵踊りの軽妙かつ洗練された所作などみていると、この祭りの伝統の重さを感じてしまう。馬踊りと人舞が交互に26組奉納され祭りは最高潮に達する。その後、神馬は神宮拝殿下の踊り場に向かい、鬱蒼としたクスの神木の下で再び馬踊りが奉納される。私たちが忘れかけた民俗の絶景が神宮の境内で輝いている。鹿児島に春を告げる今年の初午祭は、25万人の人出で賑わった。−平成15年2月23日− |
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