鹿児島市の原良、常盤、武、田上、唐湊、郡元・・・と、姶良カルデラの外壁上に、大きな円を描くようにして市街が発達している。もともと平野が少ない鹿児島市内は、都市の発達とともに、カルデラの内部ないしはその外壁部に住宅地が開発され、次第に住区の等高線が押し上げられた。標高が高くなるにつれて気温は下がり、風通しもよい。だいいち景色がよい。錦江湾の中心部に桜島が浮かび、いずれの街からも噴煙を上げる桜島の雄姿を平等に眺めることができるのである。
今日は珍しく降雪があった。急な坂道を登り終えると、シラス台地特有の平地に市街が整然と軒を連ねている。桜島もいいが、坂の斜面や台地上に展開する住居の景観もまたいいものである。市内の武小学校に通ずる坂道あたりから、美しい「天上の街」を眺めるのもよいであろう。−平成15年1月− |