福岡 長崎街道（内野宿）−筑穂町− 　坂本竜馬が、高杉晋作が往く。吉田松蔭に伊能忠敬もいる。旅籠で旅装を解く西洋人と幼子はシーボルトとその子・イネであろうか。長崎街道は、小倉から228キロ、国内唯一の開港、長崎へ向かう幹線道路だった。 　福岡藩内に黒崎、木屋瀬、飯塚、内野、山家、原田の六宿（筑前六宿）が置かれ、佐賀との国境原田宿に関番所があった。宿の恵比須碑、道標などが街道のよすがを映している。 　内野は、宿場の雰囲気をよく伝える筑前六宿のひとつ。国道200号線が僅かに宿を外れたことが幸いし、旧街道や明治期の商家が残り、小高い山腹で名刹・宗賢寺が佇んでいる。 　内野は、黒田武士で有名な母里（毛利）但馬が建設に着手し、内野太郎左衛門が引継ぎ建設した福岡藩の計画的な宿場町である。本陣などの跡がある。山家（筑紫野市）から険しい冷水峠を超えた旅人は、内野宿で一息ついた。シーボルトもペッケルも例外ではなかったであろう。