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福岡 |
草野の町並み―久留米市草野― |
JR筑後草野駅の近くに紅桃林地区という日田街道の宿の面影をのこす町がある。町通りは宿場特有のカギの手状の道が残り、沿道に町屋が並び少し山手に入ると大正時代の木造洋風建築物などが残るところ。
草野宿の魅力はなんといっても古色の漂う神社、仏閣の建築物であろう。街道をぶらりぶらり歩くと、城主・草野家と関わりのある建築物や町並みに草野の凝縮した歴史が見え隠れしている。
寿本寺の山門は、久留米城西の丸の水の手御門を明治初期に移設したものと伝えられる。本柱の後方には控柱がみえている。薬医門の形式を備える切妻本瓦葺きの堂々とした門である。久留米城の数少ない遺構のひとつ。
須佐能袁神社は、城主草野永年が勧請した祇園社であるが、祭神の名をとって社名としている。楼門は大きく風格がある。権現造りの神殿は楼門とよく調和した立派なものである。境内に庚申尊天、猿田彦大神の文字塔が並んでいる。庶民の庚申信仰を映している。
須佐能袁神社の道を隔てたところに建つ専念寺は、九州の日光と称せられ極彩色の彫刻で本堂の軒周りが飾られている。街道の伸びやかな風景の中に草野宿はある。−平成17年6月− |
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