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福岡
吉井の町並み−浮羽郡吉井町−
吉井の町は白壁の町、土蔵の町、水音の聞こえる町
  筑後川流域に豊かな穀倉地帯が広がる。川の中流域に、田園にぽっかりと浮かんだような白壁の町がある。吉井町である。 漆喰で塗り込めた総二階の商家やナマコ壁の土蔵に少しも重苦しさを感じさせない。たぶん町を縦横に流れる水路のせせらぎが、白壁をいっそう清冽なものにしているからだろう。
 吉井は、天領であった日田と有馬藩・久留米を結ぶ豊後街道に発達した宿である。格好の地理的な条件が整った町は、稲、麦などの穀物で潤う近在農村の諸需要を満たす在郷都市として富を蓄え、「吉井銀」に代表される旺盛な経済活動が花開いたところだった。商業都市・吉井の自由な雰囲気が町の明るさを醸し出しているようにもみえる。
 立派な楼門を備える若宮八幡宮に、青銅製の狛犬一対が奉献されている。西暦1845年(弘化2年)、吉井の豪商・藤江伴右衛が奉じたものである。青銅の輝きは豪商の繁栄の象徴そのものであったろう。社の脇に日岡古墳(前方後円墳、全長78b)がある。筑後川流域で独自の進化を遂げた装飾古墳である。吉井は、古代の文化も息づく町である。-平成17年5月-

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