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福岡 |
赤村の風景−田川郡赤村− |
筑豊の東端に赤村という人口1万3000人余の村がある。平成筑豊鉄道田川線が通り、筑豊炭坑の繁栄のよすがを三連橋梁に映している。村の南方に聳える英彦山塊の北端に犢牛岳(標高690b)と岩石山(標高454b)が鼎立し、両山の間隙を今川が流れ、赤村の田地を潤し、豊前海に注ぐ。のびやかな風景のなかに美田が開け、村落が鎮まっている。
30数年前、今川上流に油木ダムが完成し、洪水被害も少なくなったが、過去、赤村はしばしば大洪水に見舞われ、そのつど自力で立ち上がってきた歴史を村民の誇りとする。今川のほとりに正一位稲荷神社が祀られている。人々は稲荷神社を「吾勝稲荷」と呼び困難に負けない克己の誓いにしているという。
赤村は古い歴史のある村。古跡、古俗に見るべきものは多い。今川支流の十津川の琴弾の滝、大音の滝、ハジカミ淵など自然景観にも優れ、また近年、源じいの森(都市農村交流施設)や農産物センターなどができ村を訪れる人も多くなった。
平成筑豊鉄道田川線に架かる内田三連橋梁(通称:みつあんきょ)は明治28年の建築。橋梁の下に小川が流れていて、上流部は切石で組まれ、下流部は煉瓦積みの稀有な橋梁である。小さな橋梁であるが、一見の価値がある。−平成18年2月− |
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