富山ノートNO8
神通峡谷(富山県細入村)
画像(ツクシ) 画像(細入村)
 積雪期が遠ざかり欅の街路樹が芽吹くころ、野を行く歓びは、越中の人のみならず万人に共通した命の息吹への賛歌である。
 春浅い日、近くの神通峡谷を遡り、飛騨と県境を接する「細入村」(富山県)に遊ぶ。峡谷の断崖沿いに造られた林道を散策する。落葉樹の新芽が陽を浴び、ときおりヒヨドリの透き通った声が森を刺す。足元ではツクシが一面に春を告げている。雪解け水が清冽な音を残し、眼下の峡谷に落ちてゆく。  −平成13年4月−
松川桜(富山市)
画像(松川) 神通川は、かつて富山市内を蛇行しながら貫通し、富山湾に注いでいた。舟を繋いで並べ、その上に板を轢き通路とした「舟橋」がかかっていたという。災害が絶えず、明治期に河川の付替工事が行われ、いまは「松川」縁の説明板がそのよすがを語る。
 桜花の頃、松川堤(富山市)に桜の木が植樹され、花の季節には近在の見 物客で賑わっている。桜の下を遊覧舟が行き交う光景は、桃源の里を思わせる。城祉公園に通ずる石橋で記念撮影する人、のんびりと花を愛でる人など思い思いに爛漫の春を楽しんでいる。−平成13年4月−

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