立岩川のセンダン並木−松山市庄等(旧北条市)
 松山市の北部を流れる立岩川(旧北条市)の両岸の土手に見事なセンダンの並木がある。樹齢を重ね、近年、移植されたものでないことは一目瞭然である。
 センダンの淡い紫の花は気品があってほのかな芳香がある。万葉歌にも詠われ日本人が古来、親しんできた花。昔は一里塚に植えられることもあった。近年では、街路の並木に採用されることもあるセンダンは、特に四国、中国地方では山野でよく見かけるポピュラーな樹木だ。
 堤防の松や桜並木は一般的。センダンやクスの並木は、竹と同様に堤防の補強にもなるのだろう。立岩川のそれは2、3キロメートルにも及ぶ見事なものである。河川敷の大部分は公園化されており、市民が樹下で思い思いの休日を過ごす姿が見かけられる。