堂の坂の棚田−城川町田穂−
城川の棚田  肱川の支流・黒瀬川がさらに田穂川の細流を産み、幾筋もの谷筋があばら骨のように田穂川に突き刺さっている。その谷筋の一つ、堂の坂川を水源にして見事な棚田が発達している。腰に手をおき急な坂道を往来する老婆の姿が見える。水まわりなど田の管理は私たちが思うほど楽なものではない。−平成17年7月−
城川の茶堂−西予市城川町−
城川の茶堂  茅葺の方形造り、三方を開放し一方に棚を設け石仏を祀る。もともと道路沿いに設けられていたが、道路の付替え等により野中にぽつんと佇むものもある。茶堂はその造りから行商の者や四国巡拝の遍路の休憩施設であったかと思うが、辻に立地するものなどもあり特に江戸期に盛んになった庚申待ちなどにも使われただろう。その用途は多様であった。
 茶堂は四国の西部地方、特に旧宇和郡内の市町に濃密に分布している。城川町(西予市)には59箇所もの茶堂が確認でき、保存状態も良好である。城川訪問の折には、茶堂に腰をおろさせていただくのもよいだろう。−平成17年7月−