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万葉集に採録された人麿の歌であるが、どこで読まれたものか不明の詠歌。大宰府に通ずる瀬戸内海の島門(海峡)に感嘆して、神代のことが思い出されると人麿は詠っている。そのような情景は、瀬戸内海を挟んで岡山と香川両県間が約9キロと最も接近し、塩飽の諸島が重なり合う今の「島なみ街道」が走る海域を除いて考えられないであろう。
鷲羽山の岩山と讃岐の霊峰・飯野山(左の写真上方にうっすらと見える山)の剛と柔との対比もよく、水盤に配された塩飽の島々が多島美をかもしだしている。世俗にない海景は、人麿ならずとも神々しさを感じるものである。
近年、鷲羽山に展望所が整備され、バスの便もある。−平成18年12月− |