竹原の街並み−竹原市竹原等−
竹原の街並み 竹原は古い町並みがよく保存された町。町人文化が花開いた町。格子戸の美しいまちである。
 竹原は小早川隆景が去った16世紀以降、町人文化が花開いた町である。
 瀬戸内海中央部の北岸に位置し、芸予諸島を望む竹原の立地のよさは、風待ちの港、塩田の町、酒造りの町として栄えた。承応年間(17世紀中葉)には、約百軒の塩田業者が軒を連ねたという。
 塩田業等で潤った経済基盤は、学芸の発達を促すのに十分であった。菅茶山が「兄弟三人気宇を同じうす」と褒め称えた頼惟清の三子、春水、春風、杏坪が出、さらに春水の子である山陽は「日本外史」や「日本政記」などを著し、よく知られた人である。通りに、本瓦葺の頼家の旧宅があり、山陽が帰宅時に詠んだという漢詩の碑が裏庭にある。
 石畳の町を行くと、入母屋、切り妻の本瓦葺の大屋根に、塗り込めの白壁、格子戸のある商家が連なり、江戸時代にタイムスリップした気分になるのもよいものだ。
 竹原市の南方に大久野島(写真下)が浮かぶ。世界一高い送電塔がある。忠海からフェリーの便がある。−平成18年6月−