大黒神島−沖美町−
大黒神島 大黒神島は、東能美島の西方約300メートルのところに孤立する島。周囲は約12キロメートル。島の東海岸、牛石の鼻辺りに砂浜が形成され、沖合いにカキいかだが浮かぶ。島南部の標高四百数十メートルの連山が雲を抱き、花崗岩が露出し、ごつごつとした岩肌の風景がこの島を一層神秘的なものにしている(写真左)。
 東能美島の南方に聳える高峰は、倉橋島の岳浦山(標高491メートル)。安芸灘一等の海景であろう。
 大黒神島は戦後、島を離れる者が多く、20年ほど前から無人島になった島。瀬戸内海で一番大きな無人島である。春先にはミツバツツジが島周りに咲く。島の西海岸には採石場がある。 −平成18年4月−
  生口島(亀の首岩と地蔵)−尾道市瀬戸田町−
瀬戸田水道の地蔵  フェリーや作業船が行交う瀬戸田水道の岩場に地蔵菩薩が祀られている。干潮時に地蔵の台座が現れ、その沖に亀の形をした大岩が現れる。
 島に、「瀬戸田水道に住みついた亀主が航行する船に乱暴を働いていたが、向上寺の小僧に退治され亀主は亀岩になった。しかし、亀岩に座礁する船が絶えないので、地蔵菩薩を祀り航行の無事を願うようになった」という民話が伝わっている。瀬戸内海は、溺れ谷のように島々が点在し、暗礁が潜み座礁事故fが絶えないところ。海難事故の絶滅は海事関係者の恒久の願い。水路の整備が進んだ今日においても、人々は地蔵菩薩に花を供え、海難の戒めとしている。−平成18年6月−