近畿風雲抄
奈良
石舞台古墳−高市郡明日香村島庄−
馬子墓 石舞台古墳は明日香村島庄に所在する。わが国最大級の古墳である。一辺約50メートルの横穴式石室をもつ方墳。深い空濠を備える。蘇我馬子の墓と伝えられる。
 馬子の没年は推古34(626年)年。76歳ともいわれるがはっきりしない。桃原墓に葬られた馬子。しかし、桃原墓の所在がわからなくなり、石舞台古墳の近くに馬子の邸宅があったことから、石舞台古墳を馬子の墓に比定されるようになった。明確な根拠はなさそうであるが、父稲目の娘である堅塩媛や小姉君を欽明天皇妃にし、堅塩媛が用明・推古天皇を生む。崇仏派を自認し、廃仏派の物部守屋を排斥し、政界に不動の地位を築き上げた。このように馬子は政界きっての実力者であった。この立派な石舞台古墳が馬子墓であっても何の不思議もない。それにしても巨大である。石室内へ入れば、一層実感が湧く。−平成19年5月− 

馬子墓
戻る