京都
ハマボウフウとコウボウムギ−宮津市、舞鶴市−
由良の門やハマボウフウに雨繁し<閑山>
ハマボウフウ(神崎海岸)
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コウボウムギ
コウボウムギ(神崎海岸)
スナビキソウ(神崎海岸)
 5月下旬から6月上旬の初夏のころ、海浜でハマボウフウ、ハマヒルガオ、コマツヨイグサ、マンテマ、コウボウムギ、ハマナス、スナビキソウの花が咲き、盛夏を迎える。
 天橋立、神崎海岸などよく知られた北近畿の砂浜では、これらの花が咲き終わると海水浴シーズンに入る。したがって、海浜が荒れることはなく、植物相がよく保存され、毎年スナビキソウにつくアサギマダラの観察を楽しみにしている好事家もいる。
 しかし近年、海浜の清掃に機械が入り、ハマヒルガオやハマボウフウが根こそぎ引き抜かれるところもあり、その分布域は確実に縮小しつつある。浜辺を埋め尽くしたハマボウフウの群落が消え、すでに昔語りとなったところも数多い。
 北近畿では一般的には、ハマボウフウを食用にする地域はほとんどない。その絶滅は主に海浜の機械清掃に伴う人為によるものではないかと思う。
 由良川河口に広がる神崎海岸のハマボウフウの群落(上段の拡大写真)は、その規模において西日本一の規模ではないかと私は密かに思っている。1メートル超の株がこれほどころごろしている海浜を私は見たことがない。しかしスナビキソウは30年前と比較して明らか激減し、渡りのアサギマダラもずいぶん少なくなった。ハマボウフウは自生地の良い条件がそろっているだけに、スナビキソウの二の舞とならないよう自生地の保護に特段の配慮があっても良いだろう。−平成23年6月−