赤松の風景−新燃岳−牧園町
新燃岳 霧島連山は、いつも青々としたアカマツの緑に覆われている。高千穂峯や新燃岳などの頂上辺りは地熱の加減からか草木が茂らず、溶岩片に覆われた山肌が赤茶けて見える。九州一の高山・屋久島の宮之浦岳などとは植物の垂直分布をまったく異にするのも、これらの山がいまなお生きた火山の証。
 霧島 は、登山もいいが思い思いのコースをたどりながらアカマツ林やミヤマキリシマなどの季節季節の草花を観賞するものよいものである。
 牧園町の地獄谷からえびの高原に通ずる一本道を進むと、道路左手に新湯温泉への取付け道路がある。この道路から北方向を眺めると、手前のアカマツ林を前景にして新燃岳(1470b)が緩やかなカーブを描いている。道路下の谷から白煙があがり、硫黄の臭いが谷に漂う。霧島らしい、いい風景である。−平成15年−
  赤松の秀づる山をとほるとき松の膚に折々寄るも 
                    <斉藤茂吉>