|  開聞岳-山川町- | 
          
          
            
            
              
                
                    | 
                 
                
                  | 開門町から望む | 
                 
                
                    | 
                 
                
                  | 頴娃町から望む | 
                 
              
             
             開聞岳には端正な美しさがある。薩摩の人々は、桜島を雄山にたとえ、海抜1000メートルほどのこの山を女山の筆頭とする。4月、花やそら豆を前景にして眺めるのもいいが、海面からそびえる姿もまたいい。軍配をあげがたく、逍遙するうちに長崎鼻付近(山川町)に至る。海と畑の半分づつを前景にして天にそびえる開聞岳、ここもまた絶景がある。 
             名のある日本庭園の中には山を借景とするところが多いが、山の景観を借り前景を人造する手法はきわめて便宜的といえなくもない。前景も借景も「自然」に勝るものはない。 | 
          
          
            
             
             | 
          
          
            | 耳取峠の開聞岳-坊津町- | 
          
          
              開聞町から南薩道路(国道226号線)を西に向かうと耳取峠にいたる。峠から南方をながめると、畑地が緩やかな曲面を描きやがて市街地にとけあい、その向こうに海面がせり上がってみえる。彼方に、開聞岳が虚空を突き秀麗な姿でおさまっている。 陸や海の千状万態の曲線が異境をかもしだし、開聞岳が到頭の美を極める。絶景である。 
             明治の歌人・高崎正風は詠う。 | 
          
          
              玉敷きの都あたりに移しなば世にふたつとなきところならまし  
                                            <正風> |