シラス台地−福山町
 鹿児島県は、県土の半分以上が火砕流で形成されたシラスで被われている。桜島の北側の錦江湾の海域は「姶良カルデラ」。
鹿児島市は、カルデラの内部に発達した「カルデラ都市」。錦江湾岸沿いの国道10号線を国分方面に進むと、カルデラの外壁が切立った断崖を成している。その斜面上ないし外壁の上部に市街が発達している。
 先史の昔からこのカルデラが醸しだす美しい景観が人々をとりこにし、土石流の発生など災害に耐えながら、離れたくとも離れがたい魅力に充ちたカルデラ都市・鹿児島を形成している。
 霧島山麓の福山町の山地から南方を眺めると、シラス台地はいま深い緑に被われている。かなたに桜島が座っている。ここにも絶景がある。-平成14年8月-

  知林ヶ島−指宿市
知林ヶ島 指宿市の東方海上に、青々とした緑を蓄えた周囲6キロメートルほどの小島が浮かぶ。知林ヶ島(ちりんがしま)である。
 島向かいのキャンプ場のベンチに腰をかけ、ぼんやりと海を眺めると、海鳥が1羽2羽、大きくゆったりと紺碧の大空を旋回している。絵葉書の中に吸いこまれていくような錯覚を覚える。
 昼前、海面がざわつきはじめ、しだいに赤茶けた一筋の道がゆっくりゆっくりと海上に現れはじめ、海面を東西に分け終には800メートルほどの蛇行した洲が橋となり、一人、二人と知林ヶ島に向かう人影がみえる。動画をみるような絶景である。 洲は二週間に一度、大潮から中潮の日に現れる。